2010年11月25日木曜日

会社より家庭が大事!

家事労働は、貨幣価値では換算できない、尊い営みの所産である。
育児も介護もまたしかり。
最近、 育児・主夫業のため退社した男性施術者がいた。
両立出来なかった事は残念であったが、これこそが、弊社の自慢である。

人生を、お国のために。会社のために。 かつてはそんな時代があった。
会社より家庭が大事! この精神を大事にしよう。
そして、『 誰のため会社にするのか 』 を 大いに議論しよう。

下記の 石垣 りんは、大好きな詩人です。
「どれほどの愛や誠実の分量をこれらの器物にそそぎ入れたことだろう、」 
炊事が奇しくも分けられた女の役目であったのは不幸なこととは思われない」
この一節が胸を打ちます。

その愛情を、 人に 地域に そして地球に それが弊社の責務です。


私の前にある鍋とお釜と燃える火と
                       石垣 りん  昭和34年作
それはながい間
私たち女のまえに
いつも置かれてあったもの、

自分の力にかなう
ほどよい大きさの鍋や
お米がぶつぶつとふくらんで
光り出すに都合のいい釜や
劫初からうけつがれた火のほてりの前には
母や、祖母や、またその母たちがいつも居た。

その人たちは
どれほどの愛や誠実の分量を
これらの器物にそそぎ入れたことだろう、
ある時はそれが赤いにんじんだったり
くろい昆布だったり
たたきつぶされた魚だったり

台所では
いつも正確に朝昼晩への用意がなされ
用意の前にはいつも幾たりかの
あたたかい膝や手が並んでいた。

ああその並ぶべきいくたりかの人がなくて
どうして女がいそいそと炊事など
繰り返せたろう?
それはたゆみないいつくしみ
無意識なまでに日常化した奉仕の姿。

炊事が奇しくも分けられた
女の役目であったのは
不幸なこととは思われない、
そのために知識や、世間での地位が
たちおくれたとしても
おそくはない
私たちの前にあるものは
鍋とお釜と、燃える火と

それらなつかしい器物の前で
お芋や、肉を料理するように
深い思いをこめて
政治や経済や文学も勉強しよう、

それはおごりや栄達のためでなく
全部が
人間のために供せられるように
全部が愛情の対象であって励むように

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